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2017 IRONMAN MALAYSIA参戦記

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2017 Ironman Malaysia 参戦レポート

平成29年11月11日(土) エイジカテゴリー、午前7:48よりローリングスタート
 総合36位、M40-44カテゴリー6位 9:59:44
 ・Swim (3.8km) 58:10(3)、カテゴリーTop 54:50
  T1 3:59
 ・Bike (180km) 5:28:41(17)、カテゴリーTop 4:57:26
  T2 3:02
 ・Run (42.2km) 3:25:54(2)、カテゴリーTop 3:18:29

2018 IRONMAN World Championships Hawaiiのスロット、M40-44カテゴリーは6枠+80代からのロールダウン1の計7枠あり、お陰様で出場権を獲得する事が出来ました。

■レース当日までの動き

初のランカウィ遠征でしたが、今回もホスピタリティツアーズにお世話になり、移動や荷物の運搬を含め、ストレスを感じる事なく安心してレース本番に集中することが出来ました。ツアー添乗員のLohさんの日本語ガイドも素晴らしく、顔もなんとなく私と似ていて?Malaysiaに兄弟が出来たようで嬉しかったです!
さて今回の宿、Bayview hotelのあるKuahタウンは庶民的で落ち着いた町。しかし朝5:50には荘厳なモスクのスピーカーから大音量のコーランが流れて叩き起こされますww。が、私にとっては逆に早朝活動の一日のリズムが取りやすかったです。マレー、華僑、タイ、インド、と様々な文化が入り乱れているのに調和しているという不思議な感じ。人も穏やかで優しく、私の疎い英語も理解してくれます。また日本アニメの影響か、私が「Terima kasih,有難う!」と声を掛けると、「有難う-ございます!!」と日本語ではにかみながら返してくれる方が多かったのにも感激!
今回の同部屋は、11回アイアンマン世界選手権に参戦しているDr.彦井さんともRockの話でも盛り上がりました。今年のColdplayの東京ドーム公園も素晴らしかったようで、その話でもテンションが上がりました!

■レース当日

大会当日は 4:00に起床。ホテルでサンドイッチとおにぎりの弁当が用意されており、おにぎりと持参したインスタント味噌汁での朝食。レースナンバーの#779を半袖トライスーツに掛からないよう右腕前腕に、M40-44カテゴリーKは右フクラハギに。Kawahara、そしてKen’sの「K」。ここでも見えない力に後押しされる不思議な感覚!
当日の天気予報は曇り、12時過ぎよりスコール。欧米の強豪エイジ達が暑さによるペースダウンの見込みがないと覚悟し、自分の信条である「粘り」で最後まで戦おうと決意。
5:00にツアーバスでホテルを出発し、5:45トランジションオープンの前にT1に到着。空気圧の設定は前後ともに7.8barの低め。路面が荒い区間があることとスコールでも安定したグリップを確保するようにするため。また急激に気温が上がった場合にタイヤのバーストを抑えたい意図もありました。
補給食とドリンクをセットし、6:30にはセット完了。スタート前までは芝生に仰向けに寝転んで、曇天の月を眺めつつストレッチ。

■スイム

7:00前にようやく明るくなりはじめ、スイム試泳は7:20-7:30で実施。そして7:30からのプロ男女のスタートを見届けてイメージトレーニング。
70.3のミドルが併設されているため、1.9kmを右回りに2周回するレイアウト。水温が30℃近くあるためノンウェット。ルール上、スイム競技中は肘から先、膝から下を覆うウェアは禁止のため、半袖トライウェアの上にITUロング世界選の代表ユニフォームを重ね着。
いよいよ7:48よりエイジ部門のローリングスタート。4列で順次スタートし、私は7:51頃にスタートを切りました。敢えて先陣を切らなかったのは、ローリングスタートによって縦長になるため、他の泳者によって出来た水流に乗って体力を温存する作戦のため。
海は白い砂が浮いている状態で、透明度は1m程。まるで白ビールの中を泳いでいるのではと錯覚します。先にスタートした選手をパスしつつ、順調にスイムアップ。シャワーで身体の塩を落としつつ軽くうがい。スイムアップ時にも忘れず水を飲んで、体内の塩分過多を防ぐ。

■バイク

T1でスイムスーツを脱ぎ、カーフガードを両ふくらはぎに通してバイクスタート。
Bikeコースはランカウイ島ほぼ全域を2周。木陰も多いが、所々で路面が荒れておりガタガタの衝撃や穴もあるため、転倒やパンクに注意する必要あり。特にスコールで道路が雨で覆われると路面状況の確認が遅れるため、一瞬たりとも気を抜くことが出来ませんでした。
ドラフティングの12m間隔に気をつけつつ、海外の強豪エイジと抜きつ抜かれつお互いにペースメイクして良い形で進行していました…が、次第に、そして明確にサドルの高さに違和感を感じるように。レース後に確認すると、バイク荒れた路面の走行によってか、フレーム内部のシートポスト固定部にクラックが生じていました…(T_T)
サドルが落ちて来たため、腰をめいいっぱいサドルの後ろに引いて座り、エアロバーの手前を握って極端なロード乗り、時折ダンシングを挟みつつ進行。60km地点でメカニックのビブスを来たオートバイに声を掛けて停車。何と工具を持っていない!次の望みは1周を終えた、100km地点のT1メカニック。誘導スタッフに事情を話してコースアウトし、一抹の望みを持ってT1に行くも、メカは工具ごと撤収した後。望みは捨てず、残っていたスタッフにメカニックの所在を聞くと、T1をスタートして最初のエイドに工具を持ったスタッフがいるはずと教えてもらい、そこで最後の停車。
修理してもらっている間にも、他のスタッフがドリンクやエナジージェルを持ってきてくれ、身体にも水をガンガン掛けてくれ、火照った身体を癒やしてくれました。ひたすら有り難かったです。初めてのマレーシアである事、スタッフの優しさへの感謝、最後までベストを尽くす事を話して、再スタート!
しばらく行くとサドルが下がるが、今はとにかくバイクレグを安全に終えてランに挑む事に集中。2周目のジェットコースターのような山岳ハイウェイ区間に入ると、強烈なスコールが叩きつける。ここの急坂で、左足の前腿と内転筋に、同時に痙攣が!急いでギアを一番軽く落とし、攣ったままの状態のソロソロペダリングでごまかしつつ、片手で梅干チューブを口内に絞る。深呼吸しながら何とか激坂登りを終えると、幸いに痙攣は収まってくれた。
スコールで視界は白く霞み、路面は川のように覆われる。片側2車線のハイウェイ、路肩には反射板を踏んでパンクした選手、転倒してハンドルが根本のステムからバッキリ折れて途方に暮れている選手などが散見される様に。ここで事故しては元の木阿弥。前を行く海外選手が取る走行ラインを頼りに、残りは何とかノントラブルでT2に到着することが出来ました。

Memo:腰痛など体幹部のトラブルは無かったが、足の筋力が不足。短時間で効率を出すために登坂インターバルも必要。また万一に備え、携帯工具も持参すべき。

■ラン

※Garminは途中で電池切れ、途中までのData

バイクから降車ライン前に飛び降りたとき、足の筋肉や腰の具合も確認。少し固まっているものの、嫌な違和感はなし。スコールによる水浸し対策のために用意したメリノウール素材のソックスを着用してのスタート。Runコースは8km程を2.5往復するレイアウト。
走り始めると、曇っているが予想以上に蒸し暑い。ピッチを意識して足を重力の刺激に慣らし、慣れるに連れ徐々にストライドを伸ばす。前を行く選手や、周回は違うが男子プロ選手を目標に走る。途中でプロ選手を追い抜いたら、「M Pro 3rd」のビブを着た自転車スタッフが私に並走。「俺じゃない、俺はまだ1周目だよ!」と話す。

Memo:序盤は4:15前後の快調なペースだったが、徐々にペースダウン。ロングは、練習量が嘘を吐かない。時間を捻出して、距離を積む練習も積極的に入れなければ。しかし舗装路の距離ばかりでは怪我のリスクが高まるため、不整地で距離を積むようにする、バイクのローラーで負荷を掛けてからのハイピッチ走法で地足を作ろう。

沿道やすれ違う選手達からも応援を頂きつつ、ピッチを刻むことに集中。ゴール直前のホテル商店街に入ると、テンション最高潮!ゴール前ではハイタッチしながらゴールしました。

アイアンマン世界選手権は、今回以上の強豪が世界中から集まります。
特に来年のKonaは、40回目の節目を迎える記念大会。私も40歳でその舞台に立つ事を目標としていました。しかし出場権を頂いたからにはただ出場するだけでなく、「日本を元気に!」の目標のもと世界の表彰台を目指して、これからが真のスタートです。
今回はアクシデントやキツい局面でも集中力を切らさずトラブルを冷静に受け入れ、現時点での全力を尽くすことが出来ました。しかし最後までプッシュ出来たのも、普段から応援して下さる皆さんの存在あればこそでした!
そのご恩返しをするために、自分自身の精進を進めて来シーズンの戦いに備えさせて頂きます。
長文にお付き合い下さり、誠に有難うございました!

そして最後まで頑張ってくれた相棒Cervelo P3、これから入院生活だけど、無事に治って戻って来てくれることを祈ってるよ!

【Hayato Kawahara has been powerd by】
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